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ほなみ
世の中に浸透しつつあるネットワークビジネス(MLM)、歴史はとても古く1934年にアメリカのカリフォルニア州が始まりといわれています。
日本で初めてネットワークビジネスをはじめたのが、1963年タッパーウェア(現在ではタッパーウェアブランズ)で、それから次々と上陸しては撤退が繰り返され、現在では500社ほどの会社が存在しているようです。
ネットワークビジネスが日本に上陸してから60年が経過しましたが、その間に起きた様々な出来事もあり、ネットワークビジネスとねずみ講が同じだと捉えている人も少なくありません。
そこで今回は、ネットワークビジネスとねずみ講の違いについてくわしく解説をしていきたいと思います。
目次
ネットワークビジネスとねずみ講の違い
ネットワークビジネスとねずみ講の違いとして3つあります。
ネットワークビジネス(MLM) | ねずみ講 | |
別名 | 連鎖販売取引 | 無限連鎖講 |
商品の存在 | 最初から存在します | 最初から存在しません |
金品(お金) | 商品やサービスを購入するための金品の流通があります。 | 金品のみが流通します |
それぞれをもう少しくわしく見てみたいと思います。
ネットワークビジネスとは
ネットワークビジネスとは特定商取引法にて定められている販売形態で連鎖販売取引と言われ、下記のように規定されています。
特定商取引法は、「連鎖販売業」を次のように規定しています。
- 物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。)の販売(又は役務の提供など)の事業であって
- 再販売、受託販売若しくは販売のあっせん(又は同種役務の提供若しくは役務提供のあっせん)をする者を
- 特定利益が得られると誘引し
- 特定負担を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/multilevelmarketing/
ほなみ
英語では”Multi-level marketing”(マルチ、マルチレベルマーケティング、MLM)あるいは”network marketing”(ネットワークマーケティング)と呼ばれる。”Multi-level marketing”は(マーケティングのシステムではなく)多段階報酬システム、”network marketing”は販売システムと使い分けていることがある。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E9%8E%96%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E5%8F%96%E5%BC%95
勧誘をする前に必ずしないといけないこと3つ
ネットワークビジネスで勧誘をする前に必ずしなければならないことが3つあります。
- 名前の明示
- 勧誘の目的を伝える
- 勧誘に係る商品または役務(サービス)の種類を伝える
1つ目の「名前の明示」は、勧誘者や統括者、一般連鎖販売業者(氏名・名称)は勧誘したい相手へ名前を告げること。
2つ目の「勧誘の目的を伝える」は契約を締結してもらう場合には、特定負担が取引に伴うことがあることを伝えること。
3つ目の「勧誘に係る商品または役務(サービス)の種類を伝える」は扱っている商品の説明、役務(サービス)の種類について説明をすること。
法第33条の2(氏名等の明示)より引用
禁止行為3つ
契約の締結についての勧誘、または相手の契約解除をさせないための禁止行為3つについては以下の通りになります。
- 事実を告げなかったり、事実と違うことを告げる。
- 相手を威迫、困惑させること。
- 公衆の出入りする以外の場所での勧誘。
1つ目の「事実を告げなかったり事実と違うことを告げる」では商品の品質・性能、特定利益や特定負担、契約解除の条件など重要な事項等について事実を告げなかったり、事実と違うことを告げるといった行為です。
2つ目の「相手を威迫、困惑させること」では、契約を締結させ、解除を妨げるために相手に威迫し困惑させる行為を禁止しています。
3つ目の「公衆の出入りする以外の場所での勧誘」では、勧誘目的を告げずに誘いだし、公衆の出入りがされない場所で特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘を行うこと。
法第34条(禁止行為)より引用
ネットワークビジネスで必要な書面2種類
ネットワークビジネスでは、2種類の書面が用意されています。
1つは、概要書面です。
概要書面は、契約の締結前に相手へ渡す書面となり、当該連鎖販売業の概要を記載されたものになります。
- 統括者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
- 連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には、当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
- 商品の種類、性能、品質に関する重要な事項(権利、役務の種類及びこれらの内容に関する重要な事項)
- 商品名
- 商品の販売価格、引渡時期及び方法その他の販売条件に関する重要な事項(権利の販売条件、役務の提供条件に関する重要な事項)
- 特定利益に関する事項
- 特定負担の内容
- 契約の解除の条件その他の契約に関する重要な事項
- 割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
- 法第34条に規定する禁止行為に関する事項
そしてもう1つは、契約書面です。
契約書面は、契約後に相手へ渡す書面となり、契約内容について明らかにした書面となっています。
- 商品の種類、性能、品質に関する事項(権利、役務の種類及びこれらの内容に関する事項)
- 商品の再販売、受託販売、販売のあっせん(同種役務の提供、役務の提供のあっせん)についての条件に関する事項
- 特定負担に関する事項
- 連鎖販売契約の解除に関する事項
- 統括者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
- 連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には、当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
- 契約年月日
- 商標、商号その他特定の表示に関する事項
- 特定利益に関する事項
- 特定負担以外の義務についての定めがあるときには、その内容
- 割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
- 法第34条に規定する禁止行為に関する事項
書面には、よく読むべき部分やクーリング・オフの事項については赤枠の中に赤字で記載することや、数字の大きさは8ポイント以上であることが必要です。
法第37条(書面の交付)より引用
ネットワークビジネスのクーリング・オフ(契約解除)
ネットワークビジネスにもクーリング・オフ制度はあります。
どのようなものになっているのか見てみましょう。
ほなみ
ほなみ
後々トラブルにならないように書面であれば特定記録郵便・書留・内容証明郵便などを行っておくこと。メールであれば送信内容を保存する、ウェブサイトであればクーリング・オフ画面のスクリーンショットで保存というように証拠となるものを残しておきましょう。
ネットワークビジネスの中途解約と返品のルールとは
ネットワークビジネスの中途解約と返品のルールとはどのようなものか見てみましょう。
中途解約はネットワークビジネスを契約しグループに入会後、クーリング・オフ期間が過ぎてもビジネスの契約を解除することが、いつでもできるというルールです。
返品のルールは、退会後下記にあるすべての条件を満たすことで商品の販売契約を解除できるというルールになります。
- 入会後1年を経過していないこと
- 引き渡しを受けてから90日を経過していない商品であること
- 商品を再販売していないこと
- 商品を使用または消費していないこと(商品の販売を行ったものがその商品を使用または消費させた場合を除く)
- 自らの責任で商品を滅失またはき損していないこと
ねずみ講とは
ねずみ講とは別名「無限連鎖講」と呼ばれ、法律で禁止されています。
ねずみ講では、先に組織に加入した人が後から加入した人が出した金品から配当を受け取るという内容のもので、商品は存在せず金品だけが流通する組織です。
ねずみ講と呼ばれているのは、組織がねずみ算式(2人が2人、その2人が2人と無限に増えるさま)に増やしていくところからそう呼ばれています。
処罰の対象や内容
ねずみ講は法律で禁止されているため、当然ですが処罰の対象となります。
無限連鎖講を開設し、または運営した人 | 業として無限連鎖講に加入することを勧誘した人 | 無限連鎖講に加入することを勧誘した人 |
3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられます。 | 1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。 | 20万円以下の罰金に処せられます。 |
※1回でも勧誘すれば違反が成立します。
https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/seikatu/nezumi/index.htmより引用
ネットワークビジネスは本当に怪しい?勧誘された時に気を付けたい事
まとめ
今回は、ネットワークビジネス(MLM)とねずみ講との違いについてくわしく解説を書いてみました。
法律を中心に違いを書いてみましたが、説明の通りそれぞれの違いでわかるのは、「商品と金品が流通している」と「金品のみの流通」です。
一見わかりやすく騙されるなんてありえないと思いがちですが、未然に必ず防げるかどうかは、勧誘をされた側の判断にどうしても委ねられてしまいます。
嫌な思いをしないためにも知識をもつことは大切ですし、混同を避けるためにもルールを守ったやり方でビジネスに取り組んでもらえればと思います。